

多文化フリースクールちばでは、日本語学習支援や居場所づくりを通じて外国ルーツの子どもたちを支えてきました。一方で、組織の成長とともに、スタッフや関係者が共有できる理念や価値観の整理、高校進学後の生徒への継続的な支援など、新たな課題も見えてきています。
本プロジェクトでは、団体と社会人メンバーが対話を重ねながら、まずスクールの想いや強み、目指す未来を整理し、理念浸透につながる土台づくりを進めます。また、卒業生や高校生世代が抱える課題にも目を向け、進路やキャリア形成を支えるために必要な取り組みを検討していきます。
成果物をつくることだけを目的とせず、団体内外の対話を促進し、これからの多文化フリースクールちばを支える仕組みや文化づくりにつながる活動を目指します。
| パートナー団体 | 「NPO法人 多文化フリースクールちば」
多文化フリースクールちばは、「外国ルーツの子どもたちが、自分らしく生きられる社会をつくる」ことを目指して活動する団体です。日本語を十分に学ぶ機会が得られず、学校生活や進学に困難を抱える子どもたちに対し、日本語学習支援や教科学習支援、居場所づくりを行っています。 また、学びの支援だけでなく、子どもたち一人ひとりが将来の選択肢を広げ、自分の可能性を発揮できるよう、進学・進路支援や地域とのつながりづくりにも取り組んでいます。国籍や文化、言語の違いによって教育機会が制限されることのない社会を目指し、子どもたちとその家族に寄り添いながら、多文化共生の地域づくりを進めています。 Vision【日本語を母語としない「外国にルーツを持つ子どもたち」が自分の力で進路を切り拓ける社会】 Mission【外国にルーツを持つ子どもたち」にとっての居場所と学びの場の提供】 |
|---|---|
| 事業内容 | 1.フリースクール事業 外国ルーツの子どもたちを対象に、日本語学習や教科学習を中心とした学びの場を提供しています。 2.放課後日本語教室 地域の学校に通う外国ルーツの子どもたちを対象に、日本語や学習のサポートを行っています。 3.高校生支援事業 高校進学後の学習継続や進路選択を支えるための情報提供や支援を行っています。 4.保護者支援 保護者との相談や情報共有を通じて、家庭と連携した子どもの成長支援を行っています。 |
| 参加メンバー | ・社会人メンバー計3人 |
| スケジュール | 期間:2026年5月~2025年8月 2026年5月20日(水) :CommonRoom 121 2026年5月27日(水) :Kick Off 2026年7月7日(火) :中間報告会 2026年8月 11日(火) :最終報告会 |
【プロジェクトの進捗状況】
5月27日のキックオフでは、多文化フリースクールちばの活動背景や課題を共有しながら、プロボノメンバーとスクール側がこれから一緒に取り組んでいくテーマを確認しました。参加者からは、行政の支援が届きにくい外国ルーツの子どもたちを支えるスクールの役割への関心や、卒業後の進路、高校生活への支援、多文化共生や日本語教育への思いが語られました。一方で、ビジョン・ミッションの言語化や高校生事業など、大きなテーマに向き合うからこその戸惑いも見られました。それでも、「団体にとって本当に意味のある活動にしたい」「まずは現場の思いや実態を知りたい」という声が多く、成果物をつくるだけではなく、スクールの皆さんと一緒に考え、伴走していこうとする前向きな空気が生まれています。今後は毎週の定例ミーティングやSlackでのやり取りを重ねながら、互いの理解を深めていきます。


【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
キックオフから初回ミーティングにかけて、まだ具体的な成果が見える段階ではありませんが、これからの変化につながる小さな芽が少しずつ生まれています。プロボノメンバーからは「現場のリアルを知りたい」「スタッフや生徒と話したい」「スクールの思いを理解したうえで進めたい」という声が多く出ており、外部から提案するのではなく、同じ目線で一緒に考えていく姿勢が育まれています。スクール側も、ビジョン・ミッションの浸透や高校進学後の支援について率直に課題を共有し、対話の土台が整い始めています。6月下旬には、オンラインで社会人メンバーから団体メンバーへ向けたMiroを活用した対話の場づくりのプレワークショップを実施しました。また、社会人メンバーによる学校訪問も予定されており、現場を知り、関係性を深めながら、スクール内部の文化醸成や高校生支援の新たな一歩につなげていきます。


【プロジェクトの進捗状況】
中間報告を終え、プロジェクトはいよいよ実践と検証のフェーズに入りました。これまでの対話を通じて見えてきた「スタッフや先生同士が思いや経験を共有する場」と「高校生の進路を支えるロールモデルとのつながり」という2つのテーマを軸に、具体的な取り組みを進めています。
対話の取り組みでは、6月末の現地訪問やリハーサルを経て、7月15日に事務局メンバーと先生方との対話会を実施しました。事前に問いを一つ用意し、少人数で話すことで、普段の業務の中ではなかなか言葉にできない経験や思いを共有する時間となりました。プロボノチームでの振り返りでは、人数や時間配分はちょうどよかった一方、問いの設定にはさらに工夫できる余地も見えてきました。8月3日には第2回を予定し、「良かったこと」を入り口に経験を語れる場を目指して準備しています。
また、高校生事業では8月29日のホームカミングデーに向け、卒業生とのつながりづくりを進めています。ロールモデルの発掘、卒業後も続く関係づくり、卒業生が必要とする支援の把握という3つの目的を整理し、当日のアンケート設計など、プロボノチームも具体的な企画づくりに加わっています。
【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
活動を重ねる中で生まれ始めている変化は、すぐに答えを出すのではなく、まず「話してみる」「やってみる」ことを大切にする動きです。当初の対話会では、説明や意見をまとめることに時間を使い、十分に語り合えないという課題がありました。そこで、問いを絞り、少人数で話し、互いの経験に耳を傾ける形へと試行錯誤を重ねています。7月15日の対話会後には、「感謝を伝える場をつくってはどうか」という声も生まれ、対話そのものが次のアイデアにつながり始めています。
高校生事業でも、「ロールモデルとは誰なのか」「卒業生とどのようにつながり続けたいのか」といった、企画の根本にある問いを団体とプロボノメンバーが一緒に考えています。ホームカミングデーのアンケートも、単に情報を集めるのではなく、卒業生の経験や現在の状況、これからのつながり方を知る機会として設計を進めています。
残りの期間も、外から完成した答えを持ち込むのではなく、実践から得られた声や気づきを持ち寄りながら、多文化フリースクールちばの皆さんと一緒に、活動終了後にもつながる仕組みや次の一歩を形にしていきます。

