プロジェクトの紹介

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Yogaで地域コミュニティをつなぐ。(Yogaを通して居心地のいい場を創造する)

プロジェクトの概要

 Community Yoga Tokyo (CYT) の活動基盤を再構築し、その社会的な意義を明確にすること、そのためには​​​​​「CYTのビジョン・バリュー・パーパスの明確化と、それに紐づく活動課題の特定」が喫緊の課題のひとつといえます。現在、CYTの「ビジョン・バリュー・パーパス」がまだ明確に言語化されておらず、運営メンバー間でも共通認識が十分に醸成されていないなか、これを明確にすることで、CYTが「人と人とのゆるいつながりを大切にし(コミュニティデザイン)」、「Yogaから居心地のいい場を創造する(場のデザイン)」ことに繋がるでしょう。

 特に「防災」というキーワードが、団体のミッションやストーリーとどのように繋がるのか、そして「コミュニティー」の定義との関係性を深掘りし、CYT独自の価値を明確にします 。

 また、「立ち戻るべきもの(あたりまえの再構築)」から、「創造」に意識を向けることで 、課題解決に取り組む基盤を作ります。

 さらに、このプロジェクトを通じて、CYTは「なぜヨガ×コミュ二ティ×防災なのか」という問いへの明確な答えを見つけ、その活動が社会にどのように貢献するのかを再定義することで、より多くの共感と協力を得られる団体へと成長することを目指します。

パートナー団体

「Community Yoga Tokyo(CYT)」

 CYTは、2016年に発足し、9年目になります。都内勝どきを中心に活動し、年間約3000人以上が参加しており、縦の長屋(タワーマンション)的な多世代交流コミュニティ。CYTは、​​つながりが自然に生まれ持続していく街を目指し、誰にとっても心と身体を整える日常が当たり前に在り、もしもの時に頼れる誰かがいる存在感となるコミュニティで在り続けるとともに、都市に静かに息づくウエルビーイング文化の醸成を目指しています。

事業内容

 ⑴Yogaからウエルビーイング文化を提供する 

 ⑵地域連携による防災・ウェルネス活動を目指す

 ⑶現在形の長屋的な多世代交流コミュニティを醸成する

参加メンバー

・社会人メンバー計  4人

(職種:教諭2人 保険SE1人 企画/戦略系1人)

スケジュール

期間:2025年7月~2023年10月

2025年6月30日(月)  :CommonRoom115

2025年7月13日(日) :Kick Off

2025年8月30日(土) :中間報告会

2025年10月19日(日) :最終報告会

1.プロジェクトの進捗(キックオフ~現在)

【プロジェクトの進捗状況】

 ​​​​プロジェクトのキックオフ会議は予定時間をやや超過しましたが、自己紹介を中心に進行しました。しかし、事務的な連絡が多く、相互理解を深めるにはまだ時間を要すると感じています。その後、原則毎週日曜日の夜に定例会を実施することを決定し、進行役の持ち回り担当など、運営ルールが確立されました。初回の定例会で「連休の様子」というテーマでアイスブレイクを導入して以来、この習慣が定着し、ミーティングの活性化に繋がっています。現在、SlackやGoogle Driveを活用し、定例会までに各自の意見を共有するスタイルも取り入れつつありますが、プロジェクト進行においては、まず関係性の構築に重点を置いています。

 

 

2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから

 プロジェクトのキックオフ会議では、まだ手探りな様子が見られましたが、2回目以降の会議では、メンバーそれぞれが自身の考えを積極的に発言するようになりました。現在、関係性構築にはまだ課題があるものの、Miroのようなツールを活用して意見を出しやすく、整理しやすい環境を整えることで、議論への集中度が高まっています。

 先に発言する人、他者の意見を聞いてから発言する人など、個々のスタイルは様々ですが、対話を重視するグランドルールのもと、互いの意見に耳を傾ける姿勢が育ちつつあります。

 今後はタスクが具体化するにつれて、メンバー間のコミュニケーションがさらに活発になるでしょう。そのため、初期段階で築いた「お互いを知る」という関係性構築の重要性を再認識し、これを基盤として、より一層強固なチームワークが発揮されることを期待しています。

 

 

 

 

2.プロジェクトの進捗(中間報告会後)

【プロジェクトの進捗状況】

 ​​​​

中間発表後、社会人メンバーはCYTの活動を改めて整理し、議論を重ねてきました。その中での大きな問いは「CYTとは?」という問いです。参加者からは「手頃なヨガ教室」と見られがちな一方で、運営は「人と人をつなぎ、防災意識や安心を育む場」と捉えており、その認識の差を埋める必要があるとのことで議論は進んでいました。そこで社会人メンバーは「CYTを一言で説明するなら?」との提案から、その言語化を最優先に据えました。また議論の中で「備える」という言葉が社会人に共鳴したところです。災害への備えに加え、心身を整え、人とのつながりを保つこともまた“備え”であると意見も出されました。

 

 

 

もう一つ付け加えられたのが、インストラクターとのミッション共有です。CYTの理念やキャッチコピーを共有し、教室運営に一貫したメッセージを込めることが不可欠だという意見が出ました。過去の「にじいろヨガ」で行われた、視覚障がい者を理解するための体験型研修の実例が紹介され、社会人メンバーは「理念を浸透させる研修や仕組みづくり」を次の課題として議論しています。教育や発信の方法に強みを持つ社会人が、それぞれの知見を活かして具体案を考える姿勢が印象的でした。こうしたやり取りを通じて、CYTは単なるヨガ団体を超え、都市にしなやかなつながりを広げる存在へと歩みを進めています。

 

 

3.プロジェクトの進捗(最終報告)

【プロジェクトの進捗状況】

 ​​​​

今回のプロジェクトでは、社会人メンバーが「外部の有志」ではなく、CYTと共に未来を描く“対話のパートナー”として関わりました。特に大きな変化は、CYTが無意識に大切にしてきた価値を言語化し、行動へ落としていくプロセスが始まったことです。単なる課題改善ではなく、「なぜCYTが存在するのか」「何を育てようとしているのか」を社会人の視点から問い直し、理念・価値観・言葉を磨き上げていきました。

また、インストラクターとの関係性にも新しい視点が生まれました。指導する側・される側ではなく、理念を共に育てる仲間として対話を重ねるアプローチへ。社会人メンバーは1on1の実践や、観察とフィードバックの仕組みづくりを提案し、持続可能なコミュニティ運営に必要な“関係のアップデート”を後押ししました。

二枚目の名刺がもたらしたのは、外から「手伝う」存在ではなく、内側に火を灯し、「ともに考え、ともに育てる」関係性です。このプロセスは、CYTがより透明で、共感と参加が生まれるコミュニティへ進化するための土台となりました。これからも対話と実験を重ね、都市における新しいつながりのかたちをともに探求していきます。

 

 

 

【2枚目の名刺が生み出した「変化」とこれから】

 

今回のプロジェクトで最も大きかったのは、社会人メンバーが「支援者」から「共創者」へと変化したことです。日常の職場とは異なる“自分の肩書きが機能しない環境”に身を置くことで、役職や専門領域ではなく、思考の質や問いの深さで価値を出す経験が積み重なりました。まさに越境学習のプロセスそのものであり、参加者自身の視野と行動様式に変化が生まれました。

最初は「手助けできることは何か?」という姿勢だったメンバーが、次第に「このコミュニティは何を大切にしているのか」「自分は何を持ち寄れるのか」と、内側から問いかけるようになりました。組織論や教育の知見、対話のスキルといった“本業とは異なる強み”を持ち寄りながら、正解のないテーマに向き合い、互いの視点を踏まえ言葉を紡ぐ経験は、会社では得られにくいものです。

また、ゆるやかなコミュニティ運営に触れたことで、参加者自身の“働くスタンス”にも揺らぎと気づきが生まれました。効率や成果だけでは捉えきれない価値に向き合い、「時間をかけて関係を育てる」という新しい行動様式を身につけるきっかけとなりました。

二枚目の名刺は、社会人が自分の専門性を別の文脈に置くことで、新しい役割や意味を発見する場です。今回得られた学びと姿勢は、参加者自身の仕事や人生に還元されながら、次の越境へとつながっていきます。

 

 

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