プロジェクトの紹介

TOP > プロジェクトの紹介 > 【最終報告】CR114 NPO法人 AfriMedico × 二枚目の名刺サポートプロジェクト

「アフリカに笑顔を広げよう」

プロジェクトの概要

【プロジェクト概要】 

 アフリカの農村部で「置き薬」を届ける活動を行うAfriMedicoは、現地の人々の命と健康を守るため、医療アクセスの仕組みをつくり続けてきました。
 しかし現在、団体は大きく分けて2つの課題を抱えています。ひとつは、助成金や寄付に依存しない「持続可能な資金源の確保」。もうひとつは、業務の属人化や情報の分散による「効率的な運営体制の構築」です。

 今回のサポートプロジェクトでは、こうした課題の解決に向けて、団体と社会人メンバーがワンチームとなり、収益性のある事業モデルの検討や業務フローの整理・可視化に取り組みます。
 活動を通して、AfriMedicoの想いや仕組みがより多くの人に届き、継続的に価値を届けられる団体運営を実現することを目指します。

パートナー団体

「NPO法人 AfriMedico」

-Medicine For The Last Mile-

NPO法人AfriMedicoは、アフリカの医療環境を改善することを目的とした非営利団体です。医療を通じてアフリカと日本をつなぎ、健康と笑顔を届けることをミッションとし、主に置き薬事業に取り組んでいる。

・置き薬事業

日本の伝統的な「置き薬」システムをアフリカに導入し、家庭や企業に医薬品を配置し、使用した分だけを支払う仕組みを提供しています。このモデルは、医療アクセスが限られている地域での医薬品の利用を促進します

事業内容

⑴ 置き薬事業: アフリカへの置き薬システムの導入

 ⑵ 医療教育事業:アフリカ現地での医療教育 (セミナー開催、資料配布等)

 ⑶ 研究事業: 医療アクセスとセルフメディケーションの促進に向けた現地国立大学との共同研究

 ⑷ 広報事業:アフリカの医療環境を伝えるためにセミナーや勉強会等開催

参加メンバー

・社会人メンバー計 6名

(営業職:1名 ,人事:1名, 物流系総合職:1名, プロジェクトマネージャー 1名, 学生 : 2名 )

スケジュール

期間:2025年06月~2025年09月

2025年06月04日(水)  :CommonRoom114

2025年06月12日(木) :Kick Off

2025年07月28日(月) :中間報告会

2025年09月28日(日) :最終報告会

1.プロジェクトの進捗(キックオフ~現在)

【プロジェクトの進捗状況】

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 キックオフ当日、初めて顔を合わせたメンバーの表情には、期待と不安が入り混じっていました。「自分に何ができるのだろう?」という不安を抱えながらも、自己紹介が進むにつれて参加動機や価値観に共通点が見え、場の空気が徐々に和らいでいくのが感じられました。

 サポートプロジェクトは、NPO法人AfriMedicoにとっては今回が3度目の参加。一方で、社会人メンバーの多くは初めての挑戦になります。しかし、プロジェクトに前のめりな姿勢を見せる彼らの様子からは、経験の有無を超えた意欲が伝わってきました。団体やその課題について事前に深く調べたうえでの質問が次々と投げかけられるうちに、団体側の表情や語り口も一層熱を帯びていきます。前向きな対話を重ねる中で、互いの想いや期待が響き合い、プロジェクトにかける真剣さが一層強まっていく様子が印象的でした。

 まだ始まったばかりのプロジェクトですが、互いの価値観や発言に敬意を持ちつつ、助け合おうとする空気が育ち始めています。この先どのような化学反応が生まれるのか、今から楽しみでなりません。

【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】

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 社会人メンバーは、プロジェクトのキックオフ当初、「自分に何ができるのだろう?」という不安を抱えていました。コモンルームでは『スキルよりも想いを重視している』とお伝えしてはいたものの、その言葉をまだ実感として捉えきれていない様子も見受けられました。しかし、活動が始まり、対話を重ねていく中で、自身の経験が意外な形で役立つことに気づき始めています。

 顔合わせの際には発言に若干の硬さが見受けられましたが、団体のビジョンや課題に対して本質的を突く問いを投げかける場面もあり、遠慮せず真剣に団体に向き合おうという姿勢が随所に感じられます。

 一方で、AfriMedicoにとっても、社会人メンバーとの対話は自団体の活動の本質や未来を改めて見つめ直す機会となっています。たとえば、「アフリカで医療体制が整備されたとき、AfriMedicoや置き薬の役割はどうなるのか?」という問いは、日々の活動の中ではなかなか生まれない視点です。その問いに即座に回答できたことで、団体としての強い想いや今後の展望が既にしっかりと描かれていることを再確認できたのではないでしょうか。

 このように社会人との協働を通じて、自団体の課題解決にとどまらず、団体自体の内省と進化を促す。そんな機会になっていく予感がしています。

2.プロジェクトの進捗(中間報告会後)

【プロジェクトの進捗状況】
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 本プロジェクトのテーマは収益事業の強化となりました。AfriMedicoは過去に、アフリカの子どもたちが描いたアート作品をモチーフにデザインした絆創膏の販売による資金調達を試みる”TSUNAGUプロジェクト”を実施したことがありました。十分な事業収益性の検討が滞り、在庫も残っていたので、当事業の見直しを行い、継続性や発展性の追及を行う事を目指します。そのために、①購買層のプロファイル調査、②新規(潜在)需要層の調査、③販路拡大・販売活動を行ったうえで、④継続的に販売できる仕組み構築の検討を行う予定です。残りの期間でどのような形で事業収益性を示すことができるようになるか、その結果も過程も楽しみです。


【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
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 社会人は手探りの状態からプロジェクトを始動しましたが、徐々にそれぞれの持ち味を活かして活動をするようになりました。学校のゼミ経由で情報収集する学生、マーケティング経験を活かしてアンケート作成する方。新しい環境・状況でチャレンジをする際に焦る必要はなく、自分にできることからやっていくことに意味があることを実感している様子が伝わってきました。
一方、AfriMedicoは団体にとっての課題のひとつの『属人化の脱却』に取り組む良い機会のひとつと捉えているようです。サポートプロジェクトは団体代表ではなく理事が参加し、人事担当も通期参加しているため理事がアフリカ渡航で多忙な状況でも問題なく稼働。既に組織力向上を目標に掲げて内部調整をしている様子でしたが、これを機に更に最適化していくことと思います。
 現在見えている変化もまだ見えていない変化も、残りの期間でどのように育まれていくか楽しみです。

3.プロジェクトの進捗(最終報告)

【プロジェクトの結果】

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 本プロジェクトでは、事業収益獲得と認知拡大を目的とした市場検証と販路開拓を実施しました。100件以上の回答を得られたアンケートにより、感度の高い20〜30代前半女性や50代女性に受容性が高いことを把握しました。このデータをもとに、チームメンバー各自が教育機関・エシカルショップ・アフリカ関連店舗など80件以上へアプローチ。結果として販売成約3件、チラシ設置4件、今後の検討先7件を獲得。アプローチ先によってメールの文面等調整をして効果の最大化を図りましたが、特に効果的だったのは直接訪問での交渉でした。メンバーのAfriMedicoの活動に対する共感と想いが強く心を動かしました。また訪問を通じて、事前のアンケートで示唆されたデザイン性×社会貢献性の訴求性が有効であることを裏付けられたとのこと。結果として、本プロジェクトにてAfriMedicoの今後の認知向上と収益事業の基盤を築くことができました。

【2枚目の名刺が生み出した「変化」とこれから】

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「もっとやりたかった」

 最終報告後に社会人メンバーが口にした一言に、これまでの歩みと想いがつまっていました。実はプロジェクト成果の大半は最後の2週間で形になったもので、それまでの進捗は決して順調ではありませんでした。

 始動当初は互いに遠慮がちな雰囲気で、強いリーダーシップをとる人もいない。そんなチームが一貫して大切にしていた事は対話を重ねることと、メンバーの個性を尊重すること。各自の視点・リソースを活かしたアイディアを出し合う事で、受容性があって挑戦に前向きな雰囲気が徐々に出来上がっていきました。

 チームの雰囲気が変化した契機は対面機会。商材の受け渡し、小チームでの販売交渉。メンバー同士が密に経験や想いをともにしたり、活動に対する反響を直接受け、AfriMedicoのためにも成功させたい気持ちが高まっていきました。その想いが伝わり、成約に繋がったのでしょう。

 一定の成果が得られたからこそAfriMedicoも社会人メンバーも新たなスタートを前向きに切ることができます。この期間に得られたものや変化は時間が経つほど気付くものが多いと思います。そんな中身の詰まったプロジェクトとなりました。

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