NPO法人みらいずworksは、設立以来12年間、新潟県内の学校教育の支援を中心に地域と協働しながら事業を継続してきた。設立以来関わるメンバーに加え、大学インターンから職員となったメンバーなどキャリア教育について熱い思いを持つ様々なメンバーで活動を牽引してきた。
しかしながら、安定した支援元はなく、事業・組織運営を持続可能なものにしていくために何をすべきか、社会的役割を大切にしながら、収益をどう確保すべきか、思い悩んでいた。
まず、社会人メンバーは、団体のビジョン・ありたい姿を団体代表者から直接ヒアリングし、運営メンバーも含めて、現状の問題点を細かなことも全て洗い出しながら、取り組むべき課題を整理していくこととした。
パートナー団体 | 「NPO法人みらいずworks」 「自分から 自分らしく みんなとともに、社会をつくる人を育てる」をミッションに、2012年より学校教育・社会教育の支援に取り組む教育NPO法人。新潟県内を中心にファシリテーションを軸としたプログラムを250校以上の学校で実施している。 小中高のキャリア教育・探究学習のプログラム企画運営だけでなく、学校と地域の協働体制づくり(コミュニティ・スクールの導入運営支援)、保護者向け講座・教材開発など、多世代の幅広い関係者と多様な学びづくりに挑戦している。 |
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事業内容 | ⑴学校教育/社会教育/家庭教育における教育支援 ⑵対話(ファシリテーション)を中心としたワークショップデザイン ⑶コミュニティ・スクール導入支援 等 |
参加メンバー | ・社会人メンバー計 7人 (管理、企画、コンサルタント、支援、事務) |
スケジュール | 期間:2024年4月~2024年7月 2024年4月6日(土) :CommonRoom 103 2024年4月17日(水) :Kick Off 2024年6月1日(土) :中間報告会 2024年7月 17日(水) :最終報告会 |
【プロジェクトの進捗状況】
CommonRoom後、メンバーが決まり、デザイナーとの1on1を経て初顔合わせとなったキックオフMTG。16Parsonalityの結果も含めた自己紹介と質問タイムで自己開示を通じてお互いを知る時間となりました。2時間のうち大部分をその時間に充てたこともあり、最初は緊張の面持ちであったものの、次第に表情が解れてきて、MTG終了時のチェックアウトでは、「新たな出会いを楽しみたい」「期待感がさらに増した」など、前向きなコメントがたくさん飛び交っていました。
そんなキックオフで細かな部分も意見交換して決まったグランドルールも社会人メンバーで毎回確認し、毎回のファシリテーターも人任せにならないようペア制で毎週の定例MTGも開催されていきます。
【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
これまでこのサポートプロジェクトのように本業以外の活動に参加したことがないメンバーがほとんど。本業では出会わない業種・職種や年代の人達、そしてリアルで会ったことがないのにオンラインだけで議論が上手くいくのか、不安を持つメンバーもいました。
また、プロジェクトの進め方自体に戸惑う姿もよく見受けられました。
「仕事では、WHYやWHATは決まっていて、HOWだけに集中しているのが普通」
「ここでは、何をどれだけやるか自分次第」
戸惑うこともたくさんあるかもしれませんが、まずは、お互いの人となり、考えている意見や疑問を丁寧に聞いていくことを通じて、理解を進めていきましょう。
何かあってもなくても立ち戻れるのは、このメンバーで作った素敵なグランドルール。これを忘れなければ、きっと大丈夫!
【プロジェクトの進捗状況】
中間報告会までは、現場把握、そこから見える問題点の整理を通じて課題整理を丁寧に行いました。みらいずworksが実現したいことを意識して、課題を設定し、その解決のため、事業戦略、マーケティング、行政・企業という3チームに分かれて、アウトプットを出していくことに集中することにしました。
中間報告会後は、定例MTGの時間の使い方も全体議論とチーム議論をうまくミックスさせ、プロジェクト全体の進捗を踏まえつつ、チームでのアウトプットの質と量を高めていく動きになってきています。
【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
オンラインで議論を進めてきましたが、メンバーから声があがり、リアル飲み会を複数回開催したり、中間報告後には、みらいずworksの現地での活動見学もあります。
自主的にお互いのことを知る機会を作ることができてきて、定例MTGでは自然とお互いのことを傾聴し合う姿勢が見られ、異なる意見やちょっとした疑問も出しやすくなり、全員が真摯に向き合っていて、とても良い状態になってきています。
最終報告までの期間でチームとして何を残すか、みらいずworksの何に役立つか、素敵なストーリーが描けるようになっていくことを期待しています!
【プロジェクトの結果】
みらいずworksの事業拠点である新潟に関東・関西から5人の社会人メンバーが集まり、中学校の授業運営を社会人メンバーも手伝い、振り返りMTG、懇親会も実施したことで、より団体の活動に対する思いが強くなり、そこからの1ヶ月は社会人メンバー全員が全速力で走り切りました。
毎週の定例MTGでは、3つに分かれたチームへ他のメンバーからの意見に加え、活動終了後のみらいずworksで活用できるかどうかという視点も加えながら、よりアウトプットの質を高めていきました。
中学校の授業で実施したアンケート設計・分析、授業の企画・準備に係る工数の削減と標準化、浮いたリソースでの企業・行政深掘を実行していくための企業へのテストヒアリング結果も織り込まれ、一つのストーリーとしてとてもわかりやすくアウトプットの質も高い最終報告となりました。作成したアウトプットは、間違いなく今後の団体運営に資することでしょう。
【2枚目の名刺が生み出した「変化」とこれから】
最終報告会終了後、全員で振り返りの時間を取りました。一人ひとりの学びや気づきをシェアし合いました。そして、色んなエピソードと共に一人ひとりGIVEのメッセージを送り合いました。
キックオフ1ヶ月後のリアル飲み会で「もっとONETEAMになりたい!」という発言があり、その場で団体担当者に「お互い遠慮せずに!」というメッセージを送った社会人。どこに向かうのかわからない暗中模索の中での定例MTGのファシリ・議論、本当に粘り強く、誰一人として置いてきぼりにすることなく、チームメンバーとして認め合い、向き合ってきた3ヶ月でした。
特に最後の1ヶ月の進捗は、めちゃくちゃ素晴らしかった!!各自の想いも込めながら、一気にカタチにすることができましたね。また、チーム内での立ち位置もできてきて、全体のために一歩前へ出て動いたり、考えてから動くまでのスピードも格段に早くなりましたね。
これからもこのプロジェクトで得た経験を活かして、自分らしく前向きなキャリアを歩んでいってほしいと思います。
下記、社会人の皆さんからの振り返りコメントから一部抜粋し、報告の締めくくりとさせていただきます。
・多様な能力や経験を持ってる人たちとアウトプットを出せた
・これからもできる範囲でやれる範囲で本業に以外の活動に関わっていきたい
・自分の考えや意見だけで突っ走らない
・このプロジェクトには愛が溢れていて、相互にリスペクトし合っていたからうまくいった
・今まで培った自分の能力を色々な形で活かしていきたい(都市部よりも地方活性化など)
・ファシリテーションで協働すると一人では気づけない新しい発想が生まれることを実感した
・仮説を立て考えるとはどういう事なのか理解することができた。検証して違ったら修正したらいいと捉えると気が楽になった。前提として目的を考え抜くことは大事でそうすれば迷いなく前へ進めることができることを実感できた。
・ワクワク、楽しんでやることを忘れない
・これからも団体の活動に関わり、地域コミュニティやキャリア教育について学び実践したい
・学校教育やコミュニティスクール等地域協働に関わるNPOのあり方や課題を具体的に考えることができた
・自らの経験も活かし、個人の成長や組織作りを支援する活動を地域の支援者と連携し、継続的に関わっていきたい
・それぞれの得意が活かされチーム力が向上すること、またこのことから、チームには多様なプレイヤーが集うことが重要
・新たな課題へ取り組むには、まずその背景理解に十分時間をかけることが不可欠
・認識のずれを防止するのに、目標や目的を見える化し繰り返し共有することの重要性
・人を動かし続けるのは、情熱・受容・柔軟性、そして自己効力感
・3か月という短い間でも、自ずと役割が見えてくること。またそこから、自分の得意や改善点が見えた。
・期間限定だから成し得たこともあること
・引き続き今回のような社外での活動に積極的に参加し、チームへの貢献力や自身の独自性を伸ばしていきたい
・問いを立てる力を伸ばす研鑽を積みたい