「ことばの道案内のサービスの認知を拡大する」
ことばの道案内の主要事業である「ことナビ」の認知拡大に向けて、まずは視覚障がい者と健常者との認識の差異をなくしていくこと、言い換えると、普段視覚障がいに関わりの少ない方々にたくさん知ってもらうことが大切と考えています。多くの人に情報を知ってもらうための取り組みは何があるのか、どのように進めていけば良いのか等、多くの人に情報を届けていくための方法を考えていき、届けていくためのプロジェクトです。
パートナー団体 |
「だれでも参加できる街づくりのために。」 認定NPO法人ことばの道案内は、主に視覚しょうがい者や、視力の低下した高齢者のために、言葉の説明による道案内(言葉の地図)の作成を中心とした活動を行っております。現在国内に30万人以上いる視覚しょうがい者にとって、PCやスマートフォン等の普及によるインターネット利用の拡大は、健常者との情報格差をより顕著なものとする傾向にあります。情報の中でも重要な要素の1つが、マップ情報や公共機関や道のバリアフリー情報です。これらの情報が不足している中で、「ことばの道案内」を世の中に広く普及させることにより、視覚しょうがい者や高齢者に「外出」という社会参加と自立への第一歩を踏み出すための支援をしている団体です。
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事業内容 |
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参加メンバー | ・社会人メンバー計 5人 (経営企画:1人 営業戦略:1人 事務・管理:2人 心療内科医:1人) |
スケジュール | 期間:2023年6月~2023年9月 2023年6月3日(土) :CommonRoom 95 2023年6月11日(日) :Kick Off 2023年7月29日(土) :中間報告会 2023年9月18日(月) :最終報告会 |
【プロジェクトの進捗状況】
全盲で、投影資料を使わないままに、語りのみでプレゼンを進めた、「ことばの道案内」代表理事のヒロ兄さん(キックオフ後命名)。コモンルームでのひろ兄さんの説明に共感し、5人の社会人メンバーが集まりました。
参加者全員が30代以上の社会人経験豊富なメンバーが集まり、キックオフ初日から全員が前のめりな状態でスタートしました。全体スケジュールを伝え、まぁまぁの忙しさもあると伝えた上で、「熱中できる体験にしたい」という想いを皆で抱き、走り出しました。
ことばの道案内の代表理事のひろ兄さんから「敢えて課題はこちらから提示しない。社会人の皆様から見えることや疑問・課題を拾っていきたい」という提案があった中で、3回程度のMTGを踏まえてのプロジェクトのゴールは「ことばの道案内の認知を拡大する」に定めて動き出し、様々なディスカッションを通じて「『盲目の方のための福祉の情報』として発信するのではなく、『何気ない日常の出来事から見えてくる、盲目の人と健常者との違い』を発信するという形にしました。
7/16のMTGが終わった時点では、「何かしらの媒体で発信する」ことに狙いを定めており、ここからより具体的な方策や、アウトプットについて詰めていく予定です。とにかく仕事ができる、ベテラン社会人の集まり。3回目以降はデザイナーの介入も殆どなく、全体のスケジュールの進捗確認から、どのような進め方にするのか、ファシリテーターをどうするかまで自分達で進めて頂いています。全員がとにかく前のめりな5人ですが、この後の活動が大変楽しみです。
【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
バックグラウンドが異なる様々なメンバーのコラボレーションであること、また全員が前のめりで、かかとを上げて走っている集団であることから、前向きなディスカッションが当初から為されています。それにより、ことばの道案内のひろ兄さんにとっても考えたことのなかった視点での意見が出たり、実際にやったことのない観点で情報拡散手法を考え、実現できないか進めている等、話しやすい場の中で遠慮なくディスカッションをして、双方に刺激を与え合う時間をつくることができています。具体的に動かすところまで来ており、どのようなアウトプットが出るか、とても楽しみな状態です。
【プロジェクトの進捗状況】
中間報告を終えてからも、メンバーの士気は変わらず高く、媒体発信の方向性の模索と、プロジェクト期間内での発信までを目標に進めることで動きだしました。メンバーとの話し合いの中で「スタンドFM」というWeb上でのラジオ媒体での発信をすることに決定。『何気ない日常の出来事から見えてくる、盲目の人と健常者との違い』というテーマから、居酒屋話等の日常生活をどのように過ごしているのか、また何を感じているのかを、あまり格式高くすることなく、等身大の話題で伝える、ということを狙いにしました。ベテランの社会人メンバーがそろっていたこともあり、進捗管理は完璧で、終了までに無事に録音、配信まで進めることができていました。
【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
上記の通りで、メンバーの進捗管理は完璧かつ、全員の士気も高く、何よりも楽しんでいたことが印象的でした。2枚目の名刺としてケアするようなことはなく、既に自律自走するチームが出来上がっていました。
キックオフから比べてみると、やはり横のチームワークの強化と、団体の抱える課題に対しての理解が進み、目線があってきたことが変化としてあったと感じています。元より士気の高いメンバーが、理解を高め、想いにより共感し、その上で、より認知を拡大するための課題に、自分達も楽しみながら取り組む…そんな場が形成され始めていたこと、やらされ感はなく、平日の夜遅くであっても楽しそうにzoomでMTGを重ねる姿には、キックオフ前の「自分は力になれるだろうか、足を引っ張らないだろうか」という不安を抱えていたメンバーの姿はありません。エンゲージメント高く走れるチームが、中間を過ぎて形成されておりました。
【プロジェクトの結果】
①情報一元化 ②規格の統一 ③サービス拡充 ④認知拡大」の4つを課題として抽出、特に④についての活動を中心に進め、プロジェクト終了までに「スタンドFM」の配信を実施しました。全くの無名の一般人が始めたラジオでしたが、他のラジオよりも再生数は伸び、フォロワーも2ケタにまでなる等、思った以上の反響がありました。プロジェクト終了前から「一発だけの打ち上げ花火」にしないようにと、第2回・第3回の配信内容も検討を進めており、終了後もメンバーで集まり活動を続けていくこと、また団体のひろ兄さんが、ここまでの活動を踏まえて、新たなNPO団体でさらに活動を広げていくことを決意し、動き出されました。「認知を拡大する」の第一歩としての動き出し、ひろ兄さんの活動拡大、そして我々メンバーの組織や会社を超えた繋がりが、この3ヶ月での大きな成果であったと思います。
【2枚目の名刺が生み出した「変化」とこれから】
当初より士気の高いメンバーが、熱い想いを持つ団体側のひろ兄さんと出会い、実際に会い、MTGを重ね、想いを共有し、活動が拡大した…たった3ヶ月でも、また背景がまるで異なっていても、これだけのことが起こるのか、というのは傍からサポートする立場としてもとても素晴らしい場であったと感じています。プロジェクト終了後も、メンバーは活動を継続されており、通常の企業勤めするだけでは決して得られない越境体験、外との繋がり、コラボレーションを感じる場に、2枚目の名刺は貢献できていたんだなと思いました。何よりも、メンバー全員がやらされ感というより、楽しんで活動されていたことが印象的で、想いを共感した団体と、「自分の意思で」進めていくことの価値はそこにあったんだと改めて思いました。サポートする立場として、2枚目の名刺の一員として、素敵な時間を生み出すことに関われたことに、改めて感謝申し上げます。皆さん、お疲れ様でした。
※一部メンバーのみですが、飲み会の写真。