株式会社エコロギーはコオロギの養殖生産と商品開発を行っているベンチャー企業。たんぱく質危機への対策として昆虫食が注目されだしていますが、中でもコオロギはタンパク質量が多く、環境負荷が少なく、エビに似た美味しい味わいのある魅力的な食材です。ところが現段階では継続的な喫食に結びつく前向きな印象を持たれていないのが現状です。今回のサポートプロジェクトでは、コオロギが「食卓に並ぶ美味しく温かみのある料理の食材」になる未来を実現すべく、食や環境に関心を持つ社会人メンバーと団体さんがワンチームとなり、ネガティブなイメージを払しょくするという難題に挑みます。
パートナー団体 | 株式会社エコロギーは「地球と生命を健やかに」というパーパスを掲げて、サステナブルな食の未来を目指す早稲田大学発のベンチャー企業です。未利用な生命資源である「コオロギ」をカンボジアで生産し、食品や飼料用途で販売しています。昆虫食と言うとどうしてもネガティブなイメージがあることが課題ですが、その健康面や環境面などの社会的価値を美味しいコオロギ食品をともに正しく啓発していきたいと思っています。 |
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事業内容 | 昆虫コオロギの養殖生産および昆虫コオロギを活用した食品、飼料の開発・製造・販売 |
スケジュール | 期間:2023年2月~2023年5月 2023年2月1日(水) :CommonRoom 91 2023年2月11日(土) :Kick Off 2023年3月24日(金) :中間報告会 2023年5月 11日(木) :最終報告会 |
【参加メンバー】 | 社会人メンバー計8名 (学生:1名 営業:2名 技術者・エンジニア:2名 準備中:1名 コンサルタント:1名:不動産1名) |
2/11にKickoffミーティングを、2/20に2回目のミーティングをオンラインにて行いました。
エコロギーのプロジェクトはプロジェクト参加メンバー同士の自己開示から始まりました。社会人・団体メンバーが計10名と人数が多いため、2回目のミーティングの中盤までゆっくりと時間をかけて自己紹介を行いました。自己紹介を終えてから、3名程度の団体・社会人混合グループを組んで共通点を探すゲームを行いました。社会人メンバーの職種、属性は殆ど被っていない一方で、自然や食が好きであったり、新しい物事に取り組みたいという気持ちが共通している事に気付き、徐々に表情が柔らかくなっていく様子が印象的でした。
次に、エコロギーさんに課題感とコオロギ食材・商品の現状について説明をしていただきました。社会人メンバーがエコロギーさんに対して理解を更に深める機会となりました。最後に、社会人メンバー各自に現時点で自分事化できる課題感を共有していただき、2回目のミーティングを終えました。
今回の社会人メンバーは昆虫食自体を経験したことが無いメンバーが殆どで、中には昆虫を見ることすら苦手な方も居ました。それでも、みな前向きな気持ちでエコロギーさんとの活動を希望されているのは、エコロギーさんの想いに関心や共感を持っているからでした。
エコロギーさんは「コオロギがパーティーグッズではなく、食卓に並ぶ美味しく温かみのある料理の食材」として消費される未来の実現を思い描いています。今後、団体と社会人がどのようにプロジェクトを進捗し、実現に近付いていくのかが楽しみです。
【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
社会人メンバーは、エコロギーさんが”社会課題”の解決だけでなく、好奇心も活動の原動力となっていることを知り、刺激を受けた様子でした。会社外で自分にできることを模索されている方も多く、それが既に棚卸のきっかけになっている方もいらっしゃいます。一方、エコロギーさんは昆虫の喫食経験がない社会人メンバーならではの視点に期待をしており、新しい風が入ってくることを期待しています。
対面でのコオロギ商品の試食会を近々で予定しており、この場がチームビルディングだけではなく、コオロギ食の可能性が大きく広がる契機となる予感があります。
プロジェクトの進捗は勿論ですが、これから3ヶ月、チームメンバーの価値観や想いがどのように揺らぎ、変化していくのかがとても楽しみです!!!
(きむけい)
【プロジェクトの進捗状況】
「コオロギが食卓に並ぶ美味しく温かみのある料理の食材」として消費されるような未来を実現するためにはどうしたらよいのか?エコロギーさんの夢を実現すべく、プロジェクトが走り出しました。
3/24(金)の中間報告に向けて、コオロギが受け入れられるような用途の検討、可能性検証のためのインタビュー準備を行いました。
まず、どんな用途が考えられるのか?コオロギ粉末のことを知れば知るほど可能性が膨らみます。タンパク質が豊富なだけでなく、亜鉛などのミネラルも豊富で、整腸作用もあります。機能面だけではありません。コオロギ食品の試食会を通じて、コオロギ粉末の食材としての可能性を感じました。美味しかったのです。姿形が分からなければ、原料をあてられる人はいないと思います。
今後は各用途候補の事業実現性を検討すべく、インタビューを行います。現時点でこれまで想像していなかった用途が生まれる可能性が見え始めています。
最近、エコロギーさんは新しい取り組みのプレスリリースを出しました。今回のプレジェクトでの成果が未来の食卓の変化に現れる日を夢見て、残りの期間を走り抜けます。
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【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
プロジェクト開始から1ヶ月半、社会人メンバーのみなさんはそれぞれ越境のモヤモヤを感じている様子でした。社内の共通言語が通じない、どうやって一からプロジェクトを組み立てたら良いのだろう?、ミーティングのファシリテーションが苦手。。。
そんなモヤモヤが変化したのは対面での懇親会でした。エコロギーメンバーの帰国に合わせて、東京でコオロギ食品の試食を兼ねて顔合わせをしました。毎週顔を合わせていたメンバーですが、対面の印象は新鮮でありながら、2次会でも時間が足りないくらい盛り上がり、惜しみながら解散しました。
新しいチャレンジを頑張るのは、勿論、問いやモチベーションも大切ですが、一緒に取り組む仲間の存在を強く感じることも大切なのかもしれないですね。
最終報告後、そして、今回議論した用途で世にコオロギ食材が定着したときに、このメンバーでプロジェクトをやって良かった。そんな日が来ることを期待しています。
「コオロギが食卓に並ぶ美味しく温かみのある料理の食材」として消費されるような未来を実現するためにはどうしたらよいのか?エコロギーさんの夢を実現すべく走り出したプロジェクト。最終的な成果物として、有用な用途を見つけて商品設計をすることを目指しました。
活動のメインは有用な用途を探るためのインタビュー。用途仮案を社会人メンバー各自が設定し、インタビューを進めました。社会人メンバーの中にはインタビュー未経験の方もいらっしゃり、当初は思うようにインサイトを引き出すことができませんでしたが、回数を重ねるにつれ勘所を掴んでいく様子が伺えました。
結果的に商品設計に至るまでの情報を得る事ができませんでしたが、エコロギーさんがこれまで思いもよらなかったような用途案に可能性が見出されたことが大きな収穫となりました。
【2枚目の名刺が生み出した「変化」とこれから】
プロジェクトの推進にあたり、チーム全体として最も苦労をしたことはプロジェクトのための稼働時間の確保だったのかもしれません。活動期間は年度末年度初めに跨っていたため多忙な方が多く、中には体調不良により思うような稼働ができなかった方もいらっしゃいました。そのような状況では、個々の工夫は勿論の事ですが、溜め込まずにチームメンバーに現状を共有する自己開示が不可欠です。今回のプロジェクトではそういったチームメンバーとの関わり方がチーム全体としての学びになった印象でした。
活動開始当初に思い描いたような着地はできませんでしたが、あくまでプロジェクト期間はエコロギーさんにとっては「コオロギを市場に大きく受け入れられる食材」にするための一過程に過ぎません。今回のプロジェクトで有望な用途が見出され、最終報告後もその可能性を深掘っています。確度を上げるために有志社会人メンバーとエコロギーさんが打合せをしています。最終報告後の団体と社会人の関わり方もサポートプロジェクトの魅力のひとつ。社会的なインパクトを生み出す過程や瞬間に立ち会うことは素晴らしい経験になることでしょう。