今回、An-Nahalが二枚目の名刺で取り組みたいテーマ案として幾つかあげてもらいました。
・日本で外国人材(留学生)が起業しやすい環境作りについてのリサーチ、ヒヤリング
・多文化協働体験プログラムSHIPの開催
・海外経験がない日本人管理職・ミドル層へのグローバル、ダイバーシティ&インクルージョンへの動機付け方法の提案
いずれもAn-Nahalが、なかなか手が出せない分野であったり、主催者側ではなく参加者目線で体験したり、社会人メンバーが実際に行ってのフィードバックを受けたいというのが狙いでした。
パートナー団体 | 株式会社An-Nahal(アンナハル) An-Nahal(アンナハル)は、日本語の春(ハル)とアラビア語でミツバチを意味するAn-Nahl(アンナフル)を掛け合わせた造語です。誰かにとって「春が来た」と言えるような才能が開花したり、新たな機会を提供できるように。そして、事業を通じて、才能が「開花」するためにミツバチのように花粉を運ぶことができるようにという意味が込められています。 ロゴをクリックするとパートナー団体のHPに遷移します。 |
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事業内容 | An-Nahalは、“多様な人材が協働する社会を作る”ことを目指し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を組織と人の側面から支援する、2019年に設立した企業。外国人材の活躍を促進するためのリーダー育成やワークショップ、外国人起業家育成等に取り組んでいる。 |
スケジュール | 期間:2022年10月~2023年1月 2022年10月1日(土):CommonRoom90 2022年10月12日(水):Kick Off 2022年11月30日(水):中間報告会 2023年 1月 21日(土) :最終報告会 |
【プロジェクトの進捗状況】
2022年10月12日、株式会社An-Nahal(アンナハル) × 二枚目の名刺チームがキックオフしました。社会人メンバーは、20代から60代。居住地は、大阪、広島、茨城、神奈川、東京。職業は、営業職、技術職、管理職、財務、大学院生と背景もバラバラで、An-Nahalが目指している“多様な人材が協働する社会を作る”にふさわしい多様性に富んだメンバーが集まりました。
今後、打ち合せについては週1回(2時間)の頻度で行いますが、曜日など固定せず、都度決めていく方法としました。また、毎回、進行役と書記役を持ち回りで担当する、Slackで情報の共有を行うことなどのルールを決めていきました。
これから3か月、多様なメンバーが、どのような成果が生み出していくのか今から楽しみです。
■キックオフの様子
【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
こんなことがありました。
キックオフ後の次の打ち合わせの日程について、メンバーの都合がつきません。翌々週であれば、調整可能でしたが、それでは間が空きすぎてしまう。すると、こんな提案が。
都合がつく日程をよく見ると、4人と3人が集まれる日があるので、そのメンバーで打ち合わせを行い、その次の打ち合わせで擦り合わせをしてはどうかのアイデアが出てきました。その方が、少数で打ち合わせになり、むしろ意見が出やすいのでは、という意見もありました。
そして、その擦り合わせの打合せは、対面で実施してはどうか。地方の方や来れない方はオンラインのハイブリッドで行おうと決まりました。これは、早いうちに可能な限り実際にあった方がコミュニケーションが取れやすいのではという趣旨です。
これらの提案は、二枚目の名刺の「Values」の「制約は工夫で乗り越える」にふさわしい内容です。既にいろいろなアイデアが出て、今後メンバー同士の一体感が深まることを楽しみです。
■ハイブリッドでの打ち合わせの様子
【プロジェクトの進捗状況】
中間報告会まで6回の定例ミーティングを行いました。An-Nahalの事業内容や活動をより深く知るために、メンバーと団体とのやりとりを繰り返しながら、時間の制約や価値のある成果を出すにはどんなものがいいかなど議論を深めていきました。
メンバーと団体との議論の中で次のような意見に集約されました。
An-Nahal
・ダイバーシティ&インクルージョンについて、二枚目の名刺メンバーからの客観的な視点や意見、コラボレーションから生まれる気づきを得たい
・パイロットケースとしてオンライン版MILEの事業実証を行いたい
・外国人が日本で起業する為に必要な情報が知りたい
二枚目の名刺のメンバー
・異文化体験をしたい
・An-Nahalをサポートしたい
・自己の成長につなげたい
・プロボノとして参加したい
(中間報告会のスライドから引用)
その結果、具体的に次の2つに絞り込みました。
1:今まで対面で行っていたが、オンラインで行うことで全国の留学生を対象とするMILE(以下参照)を実施する
2:日本で外国人材(留学生)が起業しやすい環境作りについてのリサーチを行う
※MILE:日本の大学で学ぶ留学生と日本人ビジネスパーソンがメンタリングを通じて、相互理解と異文化間コミュニケーションを実践的に学びます。D&Iの価値を実体験を持って理解し、実際に自組織で行動できるインクルーシブリーダーになるためのアクションラーニング形式のプログラムです。 (An-Nahalのサイトから引用)
7人全員では議論に時間がかかり効率が悪いので、全員で各々のプロジェクトは実施しますが、企画・運営は2つのチームに分けて進めることにし、各々のチームの議論はSlackで情報を共有することにしました。
具体的な課題設定と行うべきことがはっきり見えてきました。最終報告会まで2カ月を切りました。そのままゴールまで駆け抜けていきましょう!
■2チームで企画・運営(中間報告会のスライドから)
■MILEチーム(中間報告会のスライドから)
■企業支援チーム(中間報告会のスライドから)
【2枚目の名刺が生み出し始めている「変化」とこれから】
上記のように、MILEについてさらっと書きましたが、実際はとても大変な作業でした。
MILEでのメンタリングを行うといっても次のような作業があります。
対象となる留学生をメールで募集(案内文の作成とメール送信、受信) → 事前説明会実施(その資料の作成と当日の進行) → メンタリング相手のマッチング(社会人と留学生との1対1行うため) → メンタリング実施→メンタリングを4回行うがその間に4回のセミナーも実施
MILEを実施することが決まったのが、11月7日夜のミーティングでした。事前説明会は11月17日20時ですので、極めてタイトなスケジュールです。それをMILEの概略は把握していても細部までは理解していません。まずは期限を決めて始めてみる。走りながら考える。「ベンチャーは毎日こんな感じでヒリヒリした感じ」と社長の品川さんは言ってました。メンバーは大きな企業では味わえない「ヒリヒリ感」を実感したと思います。
また、メンバーの過半は英語は話せませんと言いながら、異文化に飛び込み、事前説明会では片言の英語であいさつするなど、やったことがない世界に飛び込んだことは素晴らしいチャレンジだと思いました。
中間報告会以降もプロジェクトは進行します。
二つあるプロジェクトのうち、オンラインでのMILEでは、次の地図の赤いポイント地点の国々の留学生が参加しています。
全員で留学生と一対一でメンタリングを実施していますが、その間にはセミナーを挟みメンタリングの効果向上を図っています。
ストレングスコーチ(ストレングスファインダー:アメリカのコンサルティング会社「Gallup社」が開発した自己分析ツール)の資格を持つメンバーの発案で、留学生の課題を克服するのに、自分の強みを把握するヒントになるのでないか、一つのきっかけになるのではないかとストレングスファインダーの内容も盛り込んでいます。
団体側からは、普段とは異なって主催者ではなく、受講者目線でMILEに参加できるのは意義があり、また、以前は対面で行っていたが、オンラインで場所を特定されずに実施が可能であることもわかったとの評価を得ています。
もう一つのプロジェクトでる、「留学生の起業調査」についても、関係者のヒヤリングを実施。そもそもメンバー自身が「起業」した経験がない中で、まずは、起業についての知識の蓄積を図りました。
次に、実際に起業をした「外国人の起業家」にインタビューを実施することにしました。こちらは、最終報告会以降になりますが、1月中を目途に取りまとめる予定です。
二枚目の名刺のプロジェクトが終わって、社会人メンバーはどのような感想を持ったのでしょうか。
次のスライドは中間発表時のもので、二枚目の名刺に参加した経緯や中間発表時の感想、意気込みです。
最終報告会での感想です。
・初めて英語をDeepL翻訳(高精度な翻訳ツール)を使ってコミュニケーションをとることができた。社会人メンバーも留学生もお互いに言語は壁になるんだと感じた。
・自分の中で当たり前のことと思っていたことが人によってはあたり前ではなく、様々な考え方があるとことを実感した。
・知らない人と一緒にプロジェクトを行うのはコミュニケーションが大事なことだと再認識できた。
・留学生にメンタリングしたのは初めてだったが、悩みは万国共通だと思った。
・同じ言葉であってもその解釈が違う。途中で確認する必要があることを学んだ。
CR90のテーマ:「さあ、自らの価値観を揺さぶる冒険に一歩踏み出そう!」ですが、「揺さぶられる」ことができたのではないでしょうか。
プロジェクトが始まった当初に比べて皆さんの表情が生き生きとして、一つのチームとしてまとまり、いい成果につながったのだと感じました。
皆さん自身が本来の組織、場所に戻った時に、サポートプロジェクトでの経験を活かし組織を変え、社会を変えることのきっかけになったらと思います。
(ヒロシ)