プロジェクトの紹介

TOP > プロジェクトの紹介 > NPO法人月と風と「しょうがい者の社会参加増進」プロジェクト

NPO法人月と風と「しょうがい者の社会参加増進」プロジェクト

プロジェクトの概要

NPO法人 月と風とは「重いしょうがいのある方が暮らしやすいまちは、誰にとっても暮らしやすい。みんなで関わり合うことで、新しい価値をつくっていく。」そんなスローガンを掲げ活動されており、そんな地域づくりを目指されている団体です。

パートナー団体

NPO法人 月と風と
https://tsukitokazeto.com/

事業内容
1:地域のしょうがいを持たれている方への「ヘルパー事業」
2:しょうがいのある方と、ない方が共に楽しく交流/表現できる「場づくり」
3:チャリティショップ(古着販売)とグッズ製作を通じた当事者が参加できる「しごとづくり」

活動内容
https://tsukitokazeto.com/activities/

期間

2020年6月~2020年9月

【スケジュール】
2020年6月13日(土):CommonRoom74
2020年6月20日(土):Team Kick Off
2020年8月1日(土):中間報告会
2020年9月26日(土):最終報告会

取組課題

しょうがい者は体が弱く緊急事態宣言が明けても外にでない日々の方が多く、オンライン・オフラインでも働ける、また自分を表現できる場が少ない状況があり、新たな仕組みを構築することで、当事者の社会参加を促し、明日がくるのが楽しみなまちをつくることを目指しています。

プロジェクトの進捗(キックオフ~現在)

【プロジェクトの進捗状況】
今回のプロジェクトメンバーは、6/13CommonRoomで「月と風と」代表清田さんのプレゼンを聞き、共感された方で、男性2名、女性3名の計5名の構成となっています。
メンバーの本業は、特別支援学校の臨時講師、新規事業開発、人事部(しょうがい者雇用)、市のケースワーカー、そして育児休職中だけど社会貢献に興味を持つママさんなどで、本業職種や年齢層も様々で幅広い知識と感性を持ち合わす素晴らしいチームとなっています。

チームのキックオフは6/20(土)に開催しましたが、その前段で一人一人の意気込みをプロジェクトデザイナーとの1on1で聞かせてもらい、その時からメンバーの熱量を感じるとともに、多様な顔ぶれで思いの強さを感じていました。キックオフ当日は、自己開示に多くの時間を割き、①今思っている事、②名前&ニックネーム、③ 本業と自身のスキル、④学生の時の自分(打ち込んだこと、楽しかったこと)、⑤ SPJ決意表明、に時間をかけたことで初対面のメンバー間に繋がりが芽生えた瞬間であったと感じています。これは、「いいチーム」を作るために「帰属意識、自己開示で弱さも共有、目的・目標を共有」が重要との説明に理解を示して頂いたことも繋がりの一助となったのではないでしょうか。

今回のプロジェクトはオンラインを駆使し進めることとしており、本格議論開始前にコミュニケーションツールの“Slack”で「これからの進め方」について意見交換が早速交わされ、アジェンダ設定や情報収取など手分けした動きが始まるなど、オンラインを駆使し密なコミュニケーションでスタートしている状況です。通常の集合形式MTGでは実現しないスピード感で、議論・情報共有/収集、アイデア出しなどが進み、6/28開催の定例MTGで初回とは思えないほど論点整理がされ、団体の話も聞き意見交換を進め、早速2テーマへ絞り込み集中検討を行うこととなりました。

次の週次定例MTGまでに、小グループでの議論を臨時開催することになり、更に議論を進め進化させ、僅か2週間でメンバーの理解が深まるとともに様々な具体的なアイデアが飛び交う状況まで、スピード感を持ち進めてもらっています。
この社会人メンバーは、定例/臨時MTG参加のため外出先からでも参加したり、こどもの生活リズムに合わせ寝ている時間帯を見計らってMTG参加したりと、全員が工夫しながら活動をして頂いている姿は、正に二枚目の名刺を持つに相応しい社会人だと実感しています。

プロジェクト期間中に生み出したことが、プロジェクト終了後も継続的に活用してもらえるよう、知恵を振り絞っています。必ずやってくれると確信しています!
(きんぐ)

プロジェクトの進捗(中間報告会)

【中間報告会実施レポート】

8/1(土)にオンラインにて同時進行中の他の2団体のチームも含めて、メンバー全員で中間報告会を実施しました。
キックオフ以降で、まず実践したことは共通のビジョンを作るところからスタートさせようと、「月と風と」の「思い」「大切にされていること」について理解するため、オンラインで代表の清田さんから思いを聞き、理解を深めました。また、活動現場(古着ショップ “ふくる“)見学や、団体内部の打ち合わせにも参加させて頂いたり、しょうがいのある方々ともリアルやオンラインで対話機会を頂くなど、本プロジェクトの基本となる「共感」について一歩ずつ前に進めてきております。

その「共感」を通じ、チーム目標を「誰にとっても生きやすい社会になる」とし、「社会・人との繋がり」「自己肯定感・承認」を実現できる企画を、団体代表、社会人メンバー間で合意し、2テーマに絞り込みを行いました。

 

テーマ①ハンディキャップを逆転するオンライン活用イベント

テーマ②共通の課題と関心を持つしょうがい者と健常者を繋げるイベント

 

この2テーマを設定した後に企画内容を検討するためグループ分けを行い、全体ミーティングは毎週土曜日と設定していたので、グループ別に平日打ち合わせを実施することにしました。各ミーティングへ団体代表の清田さんにも参加をいただくなど多くの時間を割いていただき、密度濃く議論と検討を進めることができました。
しかし、中間報告のタイミングまでに詳細の詰めには至らなかったのですが、その日の夜に臨時で全体ミーティングを開催し企画内容の詰めを実施するなど、納得いくまでの議論と検討を繰り返し、妥協せずに取り組んでいる姿を目の当たりにし、社会人メンバーの成長を垣間見た瞬間でもありました。

テーマ①は、「オンライン活用イベント」で、聴覚障害のある方にイベント参加をしてもらい「耳を澄ませ聴き合うワークショップ」と題し企画を進め、9月中旬にイベント開催できるよう準備を進めることにしています。そのイベントでは、Zoom映像に字幕を音声認識ソフトを利用しリアルタイム表示を可能としたり、グランドルールを決めたうえで障害の有無に関わらず普通にコミュニケーションできるよう、しょうがい者と健常者の壁を超える交流会を実現させたいと考えています。

 

テーマ②は、「しょうがい者と健常者を繋げるイベント」で、「オンライン・ファッションショー」の準備を進めており、しょうがい者も健常者も共通した課題を解消するペルソナを対象としたイベントとします。検討の結果「ペルソナ①:子育てままさん」「ペルソナ②:しょうがい者の方」とし、共通課題の「社会と関わりたい」「自己肯定感・承認」に対し、ファッションを通じて一緒に解決することで相互理解の促進を実現させたい思いです。

 

最終報告会まで、残り8週となり時間も限られている状況でありますが、単発の取組みで終わる企画は想定しておらず、オンライン企画ではしょうがい者とのオンラインコミュニケーションにおける手法やグランドルール等整備、またファッションショー企画では企業やイベントをサポートできる専門学校など、継続的な関係構築を意識したイベント開催を目標としています。社会人メンバー、団体代表の清田さん始め団体スタッフの方々、協力頂けるしょうがい者の方々で、ワクワクしながら本プロジェクトを最後まで進めてまいります。
(きんぐ)

プロジェクト完了報告

【2020年9月26日 最終報告会まで駆け抜け、更に続く思い】

1.社会人の変化

 キックオフ以降で、団体(月と風と)としての思いを汲み取り、出来ることを探そうと多くの時間をかけ、何をすれば良いのか、単発の企画ではなく今後の団体の活動に何が残せるのかを議論し知恵を出し合いました。そんな混乱期は中間報告のタイミングまで続きましたが、そのタイミングで企画内容が整理されメンバー全員の意思統一が図れ、企画が動き始めたのです。「混乱期」を脱し「規範確立期」へ移行したメンバーは、混乱期を全員で乗り越えたからこそ、全員が目標・目的を理解し行動に移せたことで、最大限のパフォーマンスを発揮し、最後まで駆け抜けた印象で、様々な背景のあるメンバーが結束し良いチームとなりました。

■ 団体と社会人メンバーのイベント企画模様(ホワイトボードを活用し、あーだこーだ!)

 

<テーマ①:ハンディキャップを逆転するオンライン活用イベント>

このイベントは、「フクシナンデス」と命名し、オフラインとオンラインを組み合わせての開催としました。9月13日に尼崎の公民館をファッションショー会場にし、月と風と運営の「ふくる(古着ショップ)」から持ち込んだ洋服と、連携提案先企業から頂いた洋服、そしてイベント運営に欠かせない美容学校の学生、ネイリスト、プロカメラマンにも集まってもらい会場を設営し、しょうがいのある方、家族がしょうがいがありファッションショーなど経験のないお母さんなど多くの方に集まって頂き、ワイワイ!ガヤガヤ!と洋風を選び、ヘアセット、男性も化粧、ネイルを行い、ランウェイを音楽に乗せ軽快に自分スタイルで表現して頂き、その模様を動画と写真で納め、更にプロカメラマンの撮影ブースに入り決めポーズで撮影するなど、大きな拍手が沸き起こっていました。もちろん、主役たちの笑顔の花が満開になった瞬間でもありました。

■イベント案内

 

■「フクシナンデス」の実施ステップ

 

■ファッションショーイベント模様

 

「フクシナンデス オンラインファッションショー(9月22日)」

イベント参加者が登場し、月と風と清田さんがインタビューを行ったり、当日(9/13)の動画をみんなで視聴したりと、しょうがいある方、無い方分け隔てなく共通の時間を対等に楽しめた瞬間でした。

 ⇒YouTube動画:https://youtu.be/fmLYVKLASsE?t=4558

 

<テーマ②:共通の課題と関心を持つしょうがい者と健常者を繋げるイベント> 

このイベント開催は10月8日と最終報告会終了後でしたが、やろう!と決めたことだったので、自然と集まり準備し進めていた印象でした。

「誰にとっても参加しやすいオンライン会議のルールを発見できた状態」を目指し、オンラインで全盲の方や難聴を患っている方にも参加いただきグランドルール作り(❶目が見えなくても、❷耳が聞こえなくても、❸表情が見えづらくても、会話に参加しやすいオンライン会議の構築)について様々なディスカッションを行いました。この知見は月と風とさんの今後の活動に役立てて頂こうと思っています。

 

2.NPOの変化

NPO法人月と風と様との取り組みは初めてであり、「新しいことにチャレンジしましょう」と当初よりお話しいただいている中でスタートし、団体としても多くの時間を割いて下さりサポートして頂きました。団体としては、日常的に活動されているしょうがい者支援の取組みなので、特別なことは少なかったと思いますが、社会人の視点で、知恵を出し時間をかけ真剣に取り組む姿には感謝を頂いていました。

 

3.その他の変化(社会の変化、企業の変化等)

特に、「フクシナンデス」準備段階で複数の企業へアプローチし、1社の協賛と、協賛まで至らなかったものの次回以降の繋がりを作れたこと、また専門学校も同様で今回のタイミングで協力を頂いた学校と、次回以降協力を頂けそうな学校など、幅広くアプローチを行い、単発で終わる関係でなく、団体と継続的な関係を構築できたと思います。団体と企業、専門学校の双方に新たな気付きと社会との接点を生み出すことが出来たのだと思います。

 

4.プロジェクトを通じたコーディネーターとしての気づき

初対面の社会人たちがオンラインで関係性構築を行い、NPO団体とチームを組み有期でプロジェクトを進めることについて、難しさも感じていましたが、オンラインだから出来る事がまだまだあるのではと感じさせられたプロジェクトでした。これまでのオフライン開催だと遠方からの参加が困難であったり、プライベート時間の合間を縫ってでも参加したいと思う方でも参加して頂けたことが我々の新たな気付きでもありました。コロナ禍では行動が制限されますが、オンラインをベースにここまでの企画運営が出来たこと、イベントを通じて多くの方に出会え、新たな絆が生まれたことにお感謝いたします。NPO法人 月と風との皆様、社会人メンバーの皆様、関係して下さった皆様、ありがとうございました。(きんぐ)

プロジェクト一覧へ