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CR74 NPO法人JAE×二枚目の名刺サポートプロジェクト

プロジェクトの概要

NPO法人 JAEは『若者が希望と誇りを持ち、挑戦する社会』をビジョンに、キャリア教育プログラムの企画、運営などをしているNPO法人です。小中高校×企業×地域の協働体験プログラム「ドリカムスクール」や、大学生実践型インターンシップ「アントレターン」などの事業を通じて、こども・若者・大人が出会い、学び合う場を創っています。

パートナー団体

NPO法人JAE(ジャイー)
https://jae.or.jp/

事業内容
◆キャリア教育プログラム(『アントレターン』『ドリカムスクール』)の企画・開発
※小学校から大学生・若者を対象とした働く大人との交流や仕事体験などのキャリア教育プログラム(学校・企業・行政・地域住民など)の企画・開発・コーディネート

期間

2020年6月~2020年9月

【スケジュール】
2020年6月13日(土):CommonRoom74
2020年6月18日(木):Team Kick Off
2020年8月1日(土):中間報告会
2020年9月26日(土):最終報告会

取組課題

従来の企業×学校の協業で実施していた職業体験プログラムをWith/ Afterコロナ時代に適した形に進化拡大させる事(例:On-lineプログラムの開発など)。
もしくは、ビジネスモデルの強化策を提案する事。
(1.既存のコア収益源である企業向け”社員育成プログラム”を充実させる方策、2.あらたな収益モデルの構築の提言)

プロジェクトの進捗(キックオフ~現在)

【プロジェクトの進捗状況】
今回のプロジェクトメンバーは、5/31説明会・6/13CommonRoomでJAE坂野さんが語った団体の活動や想いに共感して参加を決めた社会人男性5名、女性1名の構成。それそれがキャリア教育に関する課題意識を持ち、自分が貢献可能なエリアがどこにあるのかを見極めたくてうずうずしているメンバー達です。1枚目の専門エリアも、キャリアコンサルタント資格保持者、広報のプロ、銀行出身の経営企画、人事・労務のプロ、ベンチャー営業、小学校教師と多彩な顔ぶれ。また大阪・京都・兵庫の関西圏以外に、東京、愛媛のメンバーを有するバーチャルチームです。

Kick-Off Meetingは、Zoomを用いた2部構成。まずは、チームメンバーの自己紹介を中心にすすめました。メンバーに必ず紹介してね、とお願いしたのが参加理由とこのプロジェクト活動から得たいもの。参加理由には、①キャリア教育は「生き方教育」だという団体メッセージへ共感し、子どもたちが希望を持って生きていくための仕組みづくりに関わりたい、②会社に依存しない生き方を模索しており自分のパラレルキャリアのステップにつなげたい、③自分が培ったビジネススキルを社外でも活用してみたい、という意欲的な声があふれました。
また、このプロジェクト活動から得たいのは、同じ想いを持った新しい仲間たちと一緒に①1枚目にはない新しい分野に関わり、社会課題を自分事として深く捉えられる経験をしたい、②チームで成果を出す達成感を得たい、③新しいことに取り組むワクワク感、短期プロジェクトならではのスピード感を体感したい、そして自己成長したい、など挑戦的な意思表明が続きました。

第2部では、改めてJAE坂野さんに団体が二枚目社会人メンバー達と解決していきたいと考えている課題感についてお話し頂きました。メンバーからは次々と質問がなされ、キャリア教育の現状と課題の整理、JAEの活動の全体像とその課題、さらに課題の本質は何なのかを探索していく時間となりました。

Kick-Off終了後は、Zoom交流会へと突入!飲み物を片手にざっくばらんなはじめましてトークでチームの交流を深めました。

この多様性の高いメンバー達からどんな議論が誘発され、どのような化学反応がおこってどんな成果を産み出すのか、今後がとても楽しみです。(ゆきえ)

プロジェクトの進捗(キックオフ~中間報告会)

【プロジェクトの進捗状況】

キックオフミーティングから1か月半。二枚目×JAEチームは、タックマンモデルの”混乱期”に突入。それぞれが、JAEへの貢献エリア、自分のやりたいこと、自分の強み、チーム全体としての強みを理解を徐々に深めながら、3か月というプロジェクト期間の制約も考慮した”最適解”としての自分たちのゴール設定に頭を悩ませました。

 

そんな中、チーム名決定ぷちプロジェクトが発足。性格分析アプリ(動物タイプ別としてカテゴリー分け)で、チームメンバー全員が違うタイプという多様性がさらに浮彫に。そんな背景も後押ししてチーム名は“Animals”に決定!発案メンバーがロゴのデザインまでこだわり、リモートプロジェクトの象徴であるZOOMと同じトーンの水色の素敵なオリジナルロゴを設定してくれました。“Zoomで開園、愉快なZOO”というキャッチフレーズとともにさらにチームの結束が深まりました。

 

次に、チームがお互いの意見を尊重し試行錯誤しながら到達したのが、チームが考える”キャリア教育のありたい姿。このチームメンバーは、JAEのビジョン「若者が希望と誇りを持ち、挑戦する社会」を達成するために、キャリア教育を通じて、未来を担う子供や若者たちが「人や自分と対話し、今の自分を理解している状態」になれることを願い、その一助となる貢献・成果を設計していくように誓いあいました。

では、そのありたい姿に到達するためにこのチームが個性を活かしつつ最大限貢献しうること、それぞれが意欲的にわくわく感をもって取り組めることは何か??キックオフから6週間の討議を経て、たどり着いたのは2つのメインプロジェクトと、個々のメンバーが取り組みたい4つのサブプロジェクトでした。

 

メインプロジェクトの一つ目は、プラットフォーム構想への貢献プロジェクト。JAEは現在進行形で、キャリア教育に熱意をもって取り組む様々な人々をJAEを中心に結びつける”プラットフォーム構想”を計画中。二枚目JAEチームが着目するのは、キャリア教育に高い興味を持っているのにもかかわらずキャリア教育にかかわる機会が少ない”キャリアコンサルタント”と”JAE”を結びつける視点。また、教育現場でキャリア教育の実践を行う教師と、キャリア構築アドバイスのプロであるキャリコンを結びつけるもう一つの視点です。教師×キャリコン×JAEの直接対話から生まれるシナジーは何か、オンラインイベントの開催を通じて探っていく予定です。

 

次に、2本目の柱として計画をしているのが、ドリカム・プレ・スクール構想。これは、JAEのコア事業の一つである”ドリカムスクール(キャリア教育@教育現場×企業の社員育成×地域貢献×JAE)をシンプルにしたキャリア教育パッケージをつくるプロジェクトです。JAEさんのドリカムスクールは、教育現場の教師や地域の皆さんの願いをしっかりとヒアリングしたうえで、オーダーメイドのキャリア教育プランを提案、実行していく質の高いプログラム提供がその魅力。そのドリカムスクールの魅力をさらに幅広く知ってもらい理解を深めてもらうためのきっかけとして、ドリカムスクールの簡易バージョンのプログラムの構築を模索していきます。

さらに、他の4つのサブプロジェクトは、メンバーの強みに強くドライブされた貢献プロジェクト。収益モデルの可視化、ステークホルダーマップ作製など、メインの2つのプロジェクトを進める傍らで個々のメンバーが挑戦していきます。

今回のプロジェクトは完全リモート環境で行っています。一度も対面したことがないこのチームが、オンラインで信頼関係を構築し、時にはぶつかり合いながらもプロジェクトを前に進めている姿をみて、社会人メンバーの可能性に感動を覚えています。

 

中間報告会では、チームの状況を共有し他のプロジェクトチームとの意見交換を行い学びあいました。他のチームが、現場の視察やNPOさんの活動への参加を行っていることに刺激を受け、またチームの活動にも変化が起こりそうです。

 

写真は、ZOOMでの協働作業でハート型をつくるぷちワーク。1か所間違えがあるのはご愛敬。これから、ますますこのチームの進化が楽しみです。
(ゆきえ)

 

プロジェクトの進捗(中間報告会~最終報告会~最終成果物納品)

最終報告会を終え、JAE Animalsはサポートプロジェクトの3か月で大きな3つの成果物をJAEと子どもたちにプレゼントすることができました。

 

成果1:未来手紙プロジェクト

(新しいキャリア教育プログラム構築:ドリカム・プレ・スクール)

 

日本の子どもたちの特徴として「友達のいいところ」はたくさん言える、「自分の苦手なこと」もたくさん言えるのに対し、「自分のいいところ」は言えない子が多いそうです。これは、世界的にみて日本の子どもは”自己肯定感が低い”との調査結果とも一致します。自分のよさや強みをもっと自覚することは将来のなりたい自分を模索する上でとても大切な最初の一歩。

 

「自分の苦手なことや弱みは、自分の強みと表裏一体なんだよ、弱みと思っていることを強みに言い換える練習をしてみよう!」「キャリアコンサルタントさんは、相手の”強み”や”よさ”をお話ししながら引き出してくれる専門家。今日は助けを借りて、言い換えに困ったらどんどん聞いてみようよ!」

JAE Animalsは、そんなコンセプトのオンライン・キャリア教育プログラム with キャリアコンサルタントを設計・企画し、サポートプロジェクトの3か月の期間内で実際に小学6年生のクラスで2回実施をすることができました。

 

子どもたちは、短所と思っていることを長所に言い換えるグループワークに挑戦。うーん、と困ったら、オンラインで待機してくれているキャリアコンサルタントがいるブースに並んで相談ができます。自分が弱みと思っていたこと、「怒るとすぐに泣いてしまう」をポジティブな面から言い換えてみると「自分に自信やプライドを持っている(プライドが傷つくので怒ってしまうのかもね)」「感情を押し込めすぎず表に出せるのはいいことでもあるよ」「繊細でデリケートな面がある」っていうよい一面があることがわかったり、「いたずら好き」が「好奇心が旺盛」っていう長所として捉えられたり。

自分の強みの棚卸しをした子どもたちには、さらに家族からみた自分のいいところを書いてくれている手紙が手渡されます。そして、少し未来の小学校を卒業する自分を激励する手紙を書いてプログラムは終了。キャリコンブースから帰ってきた子どもたちのすっきり顔が印象的な総合学習の時間となりました。

 

プログラムの構築にあたっては、キャリア教育の実施支援のプロ集団のJAEメンバーのアドバイス、協力してくれたクラス担任の先生の熱意と周到な準備、キャリアコンサルタントの方の想いをしっかりと受け止めるようしっかりと対話を重ねていたのが印象的でした。また1回目の実施経験からプログラムを微修正し、2回目はさらに手ごたえを感じるプログラムへと進化させ、JAEに新しい視点のキャリア教育プログラムとして成果を納品することができました。

 

こどもたちはとても正直で、自分の強みがわかった瞬間の表情の変化やはじける笑顔が垣間見えて、大人たちのハートを鷲掴みにしました。親でも先生でもない、斜めの関係の大人ができること、またそのような関わりの重要性を強く感じる機会ともなり、社会人メンバーの中には、ライフワークとしてキャリア教育に関わっていきたいとの思いを強くしたメンバーもいました。

(”未来手紙プロジェクト”の授業風景)

(こどもさんの気付きレポートの抜粋)

 

成果2:キャリア教育サロン(オンラインサロン)の立上げ&運営開始

中間報告でコミットした2点目の活動である、キャリア教育に関心を寄せる人たちのプラットフォームづくりも大きな成果を達成しました。キャリア教育に関心の高い現職教師、キャリアコンサルタントを対象とした小規模なMeet Upオンラインイベントを複数回実施したうえで、JAEのFacebook上に”キャリア教育サロン”というオンラインサロンを立ち上げ、キャリア教育事例の紹介や情報交換の場として運営を開始しました。

JAEの理念である『若者が希望と誇りを持ち、挑戦する社会』に共感し、キャリア教育の現場を担う教師の方々や教育関係者、キャリア開発のプロ集団であるキャリアコンサルタント、こどもの未来に貢献を望む一般社会人の方々が集い、新たな取り組みを生み出すつながりを生み出せるよう、JAEの既存のつながりと統合していくことを目指しています。

 

成果3:複数のサブプロジェクト

チームで成し遂げた2つの大きな成果の他に、個々のメンバーの強みに牽引されて複数のサブプロジェクトでの成果を生み出すこともできました。

  • JAEビジネルモデルの図示化作成(きむ、まっちー)
  • JAEステークホルダーマップ作成(しゅん)
  • クラウドファンディングのKnow-How集作成(そのあと、JAE初のクラウドファンディングが立ち上がりました)(きむ)
  • JAEオンライン仕事体験事業への事業者紹介実績(まっちー)
  • ”未来手紙プロジェクト”の実施報告会オンラインイベント(パネルディスカッション方式)企画・実施(まっちー、きたさん、なりす、しゅん、けん)
  • ”未来手紙プロジェクト”の他に2つのキャリア教育プログラム素案作成(まっちー、けん)

(プロジェクト活動振り返りサマリー)

(チームミーティング後にANIMALSの文字をZOOMで形作ってTeam Building!)

 

JAE Animalsはこのように多くの成果を生み出したスーパー社会人チームですが、ほんの3か月前まで本業に熱心に取り組む普通の社会人で、ふとしたきっかけで二枚目のサポートプロジェクトに参加した寄せ集め。共通点は、キャリア教育のさらなる充実の必要性を社会課題ととらえる有志ということでした。

ただ、チーム形成後、比較的早期にメンバーみんなが考える”キャリア教育のありたい姿を合意し、言語化したことはこのチームのベクトルを揃えて大きな力を産み出す源の一つになった気がしています。また、彼らは、キャリア教育のプロフェッショナルではないからこそ、個々の強みをどう貢献できるか、ここにいる個々の強みを結集したこのチームだからこそ何ができるのかを考えながらプロジェクトに真摯に取り組む姿勢が強かったように思います。それぞれが本業やプライベートとのバランスのとり方を模索している中で、「せっかくの機会、小さくまとまらずにやりたい!と思えたことをやってみましょうよ!」というメンバーの声に、できそうなことを小さくやってしまえと思っていることに、はっと気付かされた、というようなシーンもありました。

そのようないろいろな好機が積み重なり、Animalsは新しい視点のプログラムを企画・提案し、超スピードで実行してしまうスーパー社会人チームへと大きく進化したように感じています。

メンバーの中には、サポートプロジェクトがプロジェクトとしていったん完了した後も、Animalsがプロジェクトを通じて生み出したプログラムの価値を再確認し、JAEさんと共にさらにこのプログラムを多くの子どもたちに広げられないかを模索しているメンバーもいます。

二枚目の名刺のサポートプロジェクトデザイナーとしては、このようにプロジェクト終了後も自分らしい二枚目の名刺の活動の幅を広げるメンバーと関わることができデザイナー冥利につきます。プロジェクトを通じて、メンバーから多くのことを学ばせていただき、そのようなプロジェクトの伴走をできたことを本当に誇りに思います。

皆さん、本当にお疲れ様でした!

(ゆきえ)

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