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東京都知的障がい者陸上競技連盟 サポートプロジェクト

プロジェクトの概要

パートナー団体

東京都知的障がい者陸上競技連盟

期間

2019年11月9日~2020年1月31日

メンバー

6名(20代~60代までの男性4名、女性2名)
主な職種は、IT系人事総務個人事業主、福祉機器販売会社 人事担当、IT系コンサルティング会社プロダクトマネージャー、国家公務員、製薬会社 人材育成担当、製薬会社 データ・システム管理担当

私たちが取り組んだこと

連盟の活動はもちろん、また知的障がい者への理解や認知を拡大するために、まず、私たち自身が知的障がいについて理解を深めることからスタート。
また今回、パートナー団体は、知的障がいや陸上の関係者以外の外部団体やボランティアとの協働は始めてであり、外部との協働の素地を築いていただければと、現時点ですぐに活用できるツールとして、選手の競技力向上のツール作り、選手の記録会運営をよりスムーズに行うためのツール作りを行いました。

パートナー団体について

東京知的障がい者陸上競技連盟は、JIDAF(日本知的障がい者陸上競技連盟)の下部組織として、東京都に在住している知的障がいをもつ陸上競技選手たちへ、トレーニングの場や機会を増やし、競技力向上に努めることを目標に3年前に発足されました。

現在、東京都在住の知的障がいのある陸上選手は、学校の部活動、クラブチームや企業の陸上チームに所属していなければ、練習する場や誰もが参加できる競技会の場がほとんどありません。
その中で、貴連盟は、特別支援学校の教員、作業所の指導職員、陸上コーチ関係者のみなさんの有志で活動しています。

パラリンピック出場を目指す選手のトレーニングの場でもあり、また陸上競技を誰でも参加できる場作りなど、その活動は多岐に渡ります。
現在は、年間で3~4回の東京都に在住する選手らの強化練習会、記録会などを開催し、全国大会にも東京都の代表チームを結成して参加しています。
この活動をとおして彼らの競技力が向上するだけでなく、就職など社会参加へ繋がり、目標を持つことによって日常生活がより充実したものになることが期待され、彼らの幅広い支援をしています。

全員が顔を合わせたキックオフキックオフミーティング

11月9日、プロジェクトチームメンバー全員が、初回の顔合わせミーティングに集まりました!

連盟の武田監督からは、こんなに多くのメンバーがこのプロジェクトに手を挙げて参加してくれるとは…というお言葉をいただきましたが、コモンルームでの武田監督の知的障がいのある陸上選手のもつ競技力の高さや可能性、また連盟のみなさんの選手への愛の深さに、心が揺さぶれたメンバーが集まりました。

参加したメンバーの自己紹介から始まり、このプロジェクトに参加した動機、どんなことを取組みたいかなどをオープンに話しました。
またコモンルームでも、知的障がい陸上について、連盟の活動内容について、お話しをうかがう機会もありましたが、さらに、連盟の活動や課題について深堀する議論が活発に交わさました。
プロジェクトメンバー自身が想像していた以上の、選手のパフォーマンスの高さや、知的障がいのある方の幅広い理解度や現状、取り巻く社会の環境について、深く知る機会となりました。

11月17日、陸上競技記録会にスタッフとして参加してきました!

やはり、現場で選手たちの活動に触れてみたいという気持ちから、また運営の現状を見学させていただくためにも、メンバー全員で参加してきました!
当初は見学の予定かなぁ…と思っていたところが…せっかく参加するのなら、より選手や連盟のみなさんと距離近く、感じてもらいたいと、みんな記録会の役割を拝命していただきました!

ハルさん、まっさん → 各競技の総合記録係
アンクル → 選手招集、スタート配置準備
かみー → トラック競技、跳躍記録
カツさん → 投てき記録
ぴすけ → トラック競技記録
(※二枚目の名刺のプロジェクトでは、あだ名で呼び合い、年齢やバックグラウンドを超えフラットな関係作りを目指しています。)

記録会に参加し、みなそれぞれ各役割を担当させていただき、それぞれの持ち場で、コーチ、連盟のみなさん、選手のみなさんとご一緒することで、新たに沸き立つ想いを持ち帰り、次へのアクションへと繋げる大きな一日となりました。

記録会という現場に足を運び、あらためてこのプロジェクトへの想い、スコープの議論を進める!

記録会に参加後、メンバーみんなで、参加しての感想や発見、今後取り組んでいきたいことをあらためて議論をすすめていきました。
とはいえ、本業をもつ6名のプロジェクトメンバー、お仕事も家庭でも日々大忙しです。(連盟のみなさんも1枚目は学校教員であったり、作業所の指導員と本業があります)
その中で、なかなか対面で集まれなくても、オンライン会議を行ったり、メッセージで意見交換をすすめていきました。

「制約を工夫で乗り越える」
これが二枚目の名刺のプロジェクトのスタイルでもあります。

プロジェクト開始から約1か月!12/10 中間報告会実施

今期はいつもより少し早めでありますが、プロジェクトから1か月で中間報告会を迎えました。
日々議論をすすめてきましたが、まだまだこのプロジェクト期間ではできることを絞り込みできてはいない現状です。
いまメンバーの中で取り組みたいと思っていることを全て出し切り、またパートナーである連盟さんとともに進められることの内容をあらためて握り合える場ともなりました。

そして中間報告会までの歩みの振り返りのワークとして、KEEP、PROBLEM、TRYとして、現在チームとして良いこと、課題と感じていること、チャレンジしたい・改善したいことを中間報告会参加メンバーで共有しました。

パートナー団体さんからは、知的障がいを受け入れよう、知ろうとしてくれている喜びがあるという感想をいただきつつも、情報のキャッチアップが難しいと、課題感もいただきました。 またプロジェクトメンバーからは、多様なメンバーからの多角的な意見で視野が広がる、メンバーに悪い人がいない!(笑)というような前向きなKEEPが挙がりましたが、このKEEPをいかにアクションに繋げるかは、パートナー団体さんとの連携がこのプロジェクトの大きな課題のひとつ、目標となったのでした。

同時に進行しているパラセーリング連盟さんのプロジェクト発表は、私たちプロジェクトチームとは対照的にロジカルなプロジェクト進行を感じ、とても刺激になり、私たちも取り入れていきたいと感じました。

中間報告会を経て、このプロジェクトのスコープを絞り込む!

中間報告会後は、実際に私たちがこの3ヶ月でできうること、またパートナー団体である連盟さんが、受入れ、活用できるものをと、この両軸で進めていきました。

もちろん、連盟さんの活動の認知拡大として行える広報、活動の幅を広げるためのボランティアやスタッフの獲得など、さまざまな案がでてきました。
ですが、知的障がいの選手や生徒さんと日々過ごされている連盟のみなさんにとって、日々の彼ら彼女らを取り巻く環境から、いままでの接点のない人たち(プロジェクトメンバー)に、運営の仕事や、選手たちと直接触れ合う仕事はやはり心配なものです。

そこで私たちは、外部の人たちでも、みなさんのチカラになりたい、ご一緒したいと分かってもらえるような気持ちを伝える意味でも、まずはすぐに活用していただきやすいツール作りを行うことにしました。

下記の①~③を作成することに決まりました!

①選手・家族それぞれに向けたドーピングについて喚起資料(担当:アンクル、ハルさん)
→選手にとって、何がドーピングにあたるのか、日々の生活や大会前に確認できるものです。

②選手・家族それぞれに向けた栄養指導の資料(担当:カツさん、まっさん)
→知的障がいのある選手(個人によりますが)は、ついつい好きなものばっかり食べてしまいがちなこともありますが、よりよいパフォーマンスを行うための望ましい食事を、日常、大会前日、当日別に推奨する資料です。

③記録会や競技会の記録マニュアル(担当:ぴすけ、かみー)
→競技会を運営する連盟のみなさんは、日々本業は教員など忙しくしていらっしゃいます。 事前の準備やスタッフの確保もままならないこともあります。当日に初めて運営に参加する方にとってすぐ活用できるものを作成し、コーチや連盟のみなさんには、選手の競技力向上の指導に専念できるようにと考えました。

各ツールを、より選手やご家族にとって有益なものにしていくためにも、選手やご家族をよくご存じの連盟の武田監督に、大量の質問(例)をさせていただいたり、作成物についてご意見をいただくことを重ね、各ツールを各チームごとに作成していきました。

いよいよ、最終報告会へ!

中間報告会同様、このプロジェクトの目標のツール作りは現在進行形ではありますが、最終報告会を1/31に迎えました。
年末年始を挟むこの時期のプロジェクトはあっという間です。

最終報告会では、主に、このプロジェクトの目標である各ツール作りのプロセスや内容を詳しくお話しさせていただきました。

そして、現段階でブラッシュアップを重ねている各ツールも、最終報告会場で配布し、参加しているみなさんに御覧いただき、ご意見を頂戴しました。

2/15には、また東京都知的障がい者陸上競技連盟の今年4回目の強化練習会が開催予定です。
強化練習会に参加できるメンバーで、連盟のみなさん、選手、ご家族のみなさんに、ご意見をいただき、さらなるブラッシュアップに努めたいと思っています!

また最終報告会では、自身のプロジェクトの発表だけでなく、複数のチームで発表も振り返りも行うことから、この最終報告会であらためて得られた新たな気付きや発見から、これからの個々のアクションへのイメージが湧きあがってきました。
それは、パラスポーツについて、障がいの有無について、多様なメンバーとプロジェクトを行う楽しさと同時にある難しさについてなど、テーマはさまざまで交錯しているようですが、何においても「心に寄り添うこと」の大事さにみなの気持ちが一つになっていくことを感じました。

特に、私たちのチームメンバー間では、仕事の状況が変化したり、家庭の状況、ライフステージの変化など、この3ヶ月間でたくさんありました。
かかわりに濃淡はあっても、みなが、最後まで、また引き続き走り続けられるのは、パートナー団体のみなさん自ら体現している選手や活動への強い想い、寄り添いがあるからこそ、私たちはそこに引っ張られるように走ってくることができたのだとあらためて感じました。
そして想いで繋がったプロジェクトメンバーは誰一人欠けてもこのプロジェクトは成立しなかったと。

二枚目の名刺のプロジェクトの実施期間としては、いったんは幕は閉じますが、各チームメンバーそれぞれが、それぞれのカタチで、ご一緒したパートナー団体と引き続きご一緒していくこと、このパラスポーツに一歩踏み込んで関わっていくこと、明日からの自分自身の行動についてアクションすること、組織に持ち帰りたいという宣言していたことはとても印象的でした。

 

各チーム引き続き、伴走が続きそうですが、このプロジェクトはきっかけにすぎず、プロジェクトメンバーみんなの心に灯ったこれからのマイプロジェクトになっていったらなぁと願っています。

 

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