一般社団法人CANnetは、がん患者とその家族のための相談窓口を運営しています。「CANnetプロジェクト1期」では、CANnetが構想していた「入院されている方とお見舞いをする方とをつなぐギフトブック」事業の推進をサポートしました。
がんで入院されている方とお見舞いをする方とをつなぐギフトブックを作りたい」というCANnetの想いを実現するため、まずはこのプロジェクトが目指す「ギフトブック」の形を定義することにしました。
異なる業種・職種のメンバーが集まる場では、ある言葉に対する解釈が異なることがよくあります。
例えば、「ギフトブック」と聞いてイメージするものは一人ひとり異なります。
しかし、言葉の定義が違っていると、同じゴールへ向かえません。そのためこのプロジェクトでは、掲載商品の中から欲しいものを選び、 添付ハガキで申し込むことでその商品が届くカタログを「ギフトブック」と呼ぶことにしました。
またプロジェクトが3ヶ月と短期間であったため、ギフトブックのプロトタイプ(試作品)を作るところまでを、 このプロジェクトのゴールとすることにしました。
スタートしてから大きく変更した点が一つあります。プロジェクト当初、 「がんで入院されている方向け」としていたギフトブックを、 「すべての入院患者向け」のものとしたことです。
入院経験のある方にインタビューしながら、
「がんで入院されている方がもらって嬉しいものは何か」
「がんで入院されている方に必要なものはどんなものか」を
メンバーで探っていくうちに、掲載する商品は、がんに限らず、 すべての入院患者に必要かつ喜んでもらえるものではないかと思ったからです。
CANnetのスタッフにも了承をいただき、広く入院患者向けのギフトブックにすることに決定。 「社会を変えたい」「自分に何ができるか試したい」 「会社の外に出てチャレンジしてみたい」という想いを持って集まったメンバーの士気は高く、スタートから中間報告会まではとてもスムーズでした。
キックオフから約1ヶ月半後の中間報告会の時には、ギフトブックのコンセプトや方向性、イラスト、写真、文章のページレイアウトなど、 プロトタイプの敲きは完成していました。
全力を尽くして進めていたこともあり、中間報告では他のプロジェクトに参加しているメンバーや二枚目の名刺のスタッフから高い評価を得られ、 自分たちの取り組みの方向性が間違っていないことを確信しました。
振り返ると、中間報告というマイルストンがあったからこそ、「プロトタイプを完成させる」というゴールまで、 メンバー全員で走りきることができたのだと思います。
プロジェクトが後半に入った頃、中間報告で評価を得たことで安心してしまい、進行が滞りがちに。
「このままではまずいのではないか」との危機感から皆で集まり、時間をかけて議論をし、プロジェクトの目的とやるべきことを再確認。 その後は、最終報告会へ向けてグッとスピードを上げました。
ギフトブックに盛り込む商品のコンセプトや読みものページの内容を決定し、調剤機器メーカーや帽子メーカーなど入院されている方に役立ちそうなアイテムを製造している企業にアプローチを行うと同時に、読みものページの制作を進めていきました。
最終報告会では、プロジェクトの目標にしていた「ギフトブックのプロトタイプ作成と事業化に向けた体制整備」が無事達成できたことを報告できました。
当日発表した私たちの取り組みと成果は以下の通りです。
・ギフトブックの冊子に盛り込む商品と読みものページの整理と作成
・具体的なビジュアルイメージの作成
・パートナー企業の洗い出しとアプローチ
団体の方々に満足いただける成果物ができたことで、メンバー全員が達成感を得ることができました。
最終報告会では、プロジェクトの目標にしていた「ギフトブックのプロトタイプ作成と事業化に向けた体制整備」が無事達成できたことを報告できました。
当日発表した私たちの取り組みと成果は以下の通りです。
・ギフトブックの冊子に盛り込む商品と読みものページの整理と作成
・具体的なビジュアルイメージの作成
・パートナー企業の洗い出しとアプローチ
団体の方々に満足いただける成果物ができたことで、メンバー全員が達成感を得ることができました。
活動はメンバーの本業に支障のない土曜日に行いました。毎回のタスクを「宿題」として分担し、次回持ち寄ることで、 少しずつ形にしていきました。
このプロジェクトが生んだプロトタイプが次のステップに続くツールとなり得た理由に、団体スタッフが積極的に関わってくれたこともあげられます。
事務局のスタッフや杉山代表が可能な限りミーティングに同席し、団体の方針や考え方を示してくれたため、それをコンセプトやコンテンツに 活かすことができたのだと思います。
プロジェクトメンバーの職種は、SE2名、コンサル、消費財メーカー、マーケター、 研究開発。50代1人と30代5人で構成されたチームの結束は硬く、フラットで結束力の硬いチームでした。
構成員やプロジェクトリーダー、コーディーネーターによってチームの作り方は異なりますが、このプロジェクトがうまく運んだ要因の一つに、腹を割って話せる関係性が早期にできたことがあげられます。
キックオフの時から喫茶店でお茶をしたり、ミーティング後に飲みに行ったりしながら、 考えや状況をシェアし合えたことで、メンバー間の距離がグッと縮まりました。 立場に上下なく、「ニックネームで呼び合う」という本業にはないプロジェクトの進め方は、2枚目の名刺ならではでした。
[一般社団法人CANnet]1期メンバー 白石和彦
団体からのコメント
プロジェクトで一緒に悩み考えながら、一人ひとりが培ってきた様々なスキルや感性を通じて、自分たちだけではたどり着けなかった次のステージに辿り着くことができました。
プロジェクトで目に見える成果だけでなく、誰もが関わる「病気」というライフステージを違う視点や解決策で見出すことができたことも、 このプロジェクトから生まれた宝物です。
これからも、多種多様な人の集まる場に顔を出して、刺激を受けたり与えたりしていただけたら嬉しいです!
メンバーのコメント
本業ではなかなか関わらない人々とのコミュニケーションは今後の1枚目にとても役立つ経験だと思います。